2017年にRIZAPグループの子会社になった「ぱど」と「ジーンズメイト」。就職するならどちらがお得?(2018年入社版)
株式会社ぱど(以下ぱど)は地域情報誌、株式会社ジーンズメイト(以下ジーンズメイト)は社名の通りジーンズの販売で有名です。この2社は全くの異業種ですが、2017年にRIZAPグループに買収され子会社化しています。(ぱどは3月、ジーンズエイトは2月)
RIZAPは子会社化した企業の業績を回復させ規模を拡大しています。その効果は買収された企業の株価にも反映されています。
【ぱどの過去5年の株価の推移(弊社のアプリ「今日の株」から)】
【ジーンズメイトの過去5年の株価の推移(弊社のアプリ「今日の株」から)】
ぱどとジーンズメイトの給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てRIZAPに買収された企業の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社ぱど】
株式会社ぱどは1987年設立、東京の目黒に本拠を置く、日本の出版社です。
社名にもなっている地域密着型のフリーペーパー「ぱど」で有名です。
フリーペーパーの発行部数は926万部で国内1位で、2002年には世界一になりギネスブックにも認定されています。
紙媒体だけではなくWebサイトやケータイメールでの情報発信も行っています。
2017年3月にRIZAPグループの子会社になりました。
RIZAPグループは2018年3月29日にフリーペーパー発行部数国内2位のリビング新聞を発行するサンケイリビング新聞社を連結子会社化したと発表していて、国内のフリーペーパー発行部数1位と2位を擁することになりました。
【株式会社ジーンズメイト】
株式会社ジーンズメイトは1960年設立の東京の代々木に本拠を置く、日本のカジュアルウェア販売のチェーン店を展開する企業です。
ジーンズを中心に衣料品を販売するチェーン店、社名でもある「JEANS MATE」で有名です。
1号店は1978年に世田谷区で出店していて現在68店舗あり、その他のブランドを含めて合計91店舗運営しています。
リアル店舗だけではなくamazonやZOZOTOWNへも出店しています。
2017年2月にRIZAPグループの子会社になりました。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:平成29年3月(ぱど)、平成29年2月(ジーンズメイト)の業績】 (単位円)
ぱど
|
会社
|
ジーンズメイト
|
70.0億 |
売上高
|
92.0億
|
75.4億 |
前年
|
93.1億
|
-7.2% |
対前年度比
|
-1.2%
|
-3.4億 |
経常利益
|
-8.0億
|
-5.6億 |
当期純利益
|
-12.0億
|
29% |
自己資本比率
|
74.5%
|
売上高はジーンズメイトがぱどを上回り、その差は22億円です。
経常利益ではぱどがジーンズメイトを上回り、その差は4.6億円です。共に赤字です。
成長率は共にマイナス成長で、ぱどがマイナス7.2%なのに対しジーンズメイトはマイナス1.2%とこちらはジーンズメイトが上回ります。
売上、成長率でジーンズメイト利益ではぱどという結果になりました。
ですが共に赤字でマイナス成長です。RIZAPグループに入りどうなるかが注目されます。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。
【共に募集要項から 初任給(単位:円)】
ぱど
|
学歴
|
ジーンズメイト
|
242,000
|
大学院
|
記載なし |
242,000
|
大卒
|
記載なし |
ジーンズメイトは新卒採用を行っていません。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成29年3月(ぱど)、平成29年2月(ジーンズメイト)決算の比較】
従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
ぱど | 281 | 350 | 35.3 | 8.1 | 4,869 |
ジーンズメイト | 121 | 121 | 37.2 | 13.3 | 4,468 |
従業員数は単体でも連結でもぱどが上回ります。その差は単体で160人、連結で229人です。
平均年齢はジーンズメイトが1.9歳高く、勤続年数でもジーンズメイトが5.2年長いです。
平均年間給与はぱどが40.1万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | ぱど | ジーンズメイト | 差額(ぱどベース) |
25 | 3,547 | 2,968 | 579 |
30 | 4,311 | 3,883 | 428 |
35 | 4,838 | 4,305 | 533 |
40 | 5,202 | 4,558 | 645 |
45 | 5,292 | 4,677 | 615 |
50 | 5,279 | 4,790 | 490 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層でぱどがジーンズメイトを上回ります。
50歳時が一番差が小さく49万円、40歳時が一番差が大きく64.5万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で違う業種のため上昇率は違う数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
ぱど | 1億8,187万円 |
ジーンズメイト | 1億6,290万円 |
ぱどがジーンズメイトを1,897万円上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
ぱど
|
6 | 61 | 0 | 0 | 0 | 10.2 |
ジーンズメイト
|
3 | 37 | 0 | 0 | 0 | 12.3 |
ジーンズメイトがぱどよりも1人当たりの報酬額(年額)では210万円多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
ぱど | ジーンズメイト | 差額(ぱどベース) | |
65歳 | 2,159万円 | 2,136万円 | 23万円 |
85歳 | 1,912万円 | 2,151万円 | -239万円 |
65歳時にぱどが23万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時には逆転されジーンズメイトが239万円上回ります。
これはぱどがジーンズメイトより支出が多い、つまりより良い生活を送っているためです。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がぱどの方、右がジーンズメイトの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
纏めると以下のような結果です
- 初任給はジーンズメイトが新卒を募集していないため比較できません。
ぱどの初任給は大卒、院卒変わらず242,000円です。 - 平均年間給与はぱどが40.1万円多いです。
- 年齢層別給与では全ての年齢層でぱどがジーンズメイトを上回ります。
50歳時が一番差が小さく49万円、40歳時が一番差が大きく64.5万円の差があります。 - 生涯年収(従業員として)はぱどが1,897万円多いです。
- 役員報酬はジーンズメイトが1人当たりの報酬額(年額)で210万円多いです。
- 老後の資産額では65歳時にぱどが23万円上回りますが、85歳時にはジーンズメイトが239万円上回ります。
平均年間給与、年齢層別給与、生涯年収、でぱどがジーンズメイトを上回りました。
役員報酬、老後の資産でジーンズメイトが上回りましたが、老後の資産はぱどの支出が多い、つまりより良い生活をしているためジーンズメイトに逆転された形です。
そのため今回ぱどの勝ちとします。
ミライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
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