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エアバック事業で対称的なタカタとダイセルの2社で生涯年収・人生計画にどれだけ違いがある?(2015年版)初任給から役員報酬まで

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)はタカタにエアバッグの欠陥で適切なリコールや当局への情報開示を怠ったとして、
タカタに最大2億ドルの民事制裁金を科すと発表しました。
またタカタのエアバッグの最大の顧客であるホンダがエアバッグのインフレーター(ガス発生装置)について、
新モデル車からタカタ製品の使用を取りやめ、現在のモデルも2016年末までに他社製品に順次取り替えていくと発表しました。
その他日産、トヨタ、富士重工業など他の自動車各社も同様に、使用しないという対応を取ることを表明しています。

代替部品の製造メーカーのダイセルはホンダを始め自動車各社からタカタ製のインフレーターの交換部品の生産を要請されています。
これを受けてダイセルは8月に播磨工場のインフレーターの生産ラインを増設し、2016年の春に米アリゾナ州に新工場を設ける予定です。

今回はこのエアバック事業で顧客を失っていくタカタとこの商機を逃すまいとするダイセル、対称的な2社の比較をしたいと思います。

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タカタとダイセル、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。

ポイントは4つ

  1. 初任給
  2. 年齢ごとの給与水準
  3. 生涯給与
  4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て部品メーカーの人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

 

それぞれの特徴


【タカタ】

  • 創業1933年
  • 資本金 約17億4,400万円
  • 本社 東京都港区六本木1丁目4番5号 アークヒルズサウスタワー
  • 従業員数 48,775名 (2015年3月期・連結)
  • 売上高 6,428億円(2015年3月期・連結)

1933年創業の自動車安全システム分野の専業サプライヤーです。

世界20カ国に56の生産工場を有し、開発・生産・販売において一貫した体制を整え、世界中の取引先に自動車安全部品を供給しています。

問題になっているエアバッグの他にシートベルトやチャイルドシート、センサーなどを手がけています。

  • 企業理念
    • 私たちの胸には創業者の開拓者精神がある。人間の生命の尊さが私たちを駆りたてる。
  • 社是
    • 革新的な製品開発、高品質、すぐれたサービスで顧客満足に徹する。
    • 多様な個性と文化を尊重し、タカタ人の誇りをもって夢を実現する。
    • コミュニティの積極的な一員として、よりよい社会に貢献する。
  • TAKATA WAY
    • じゅうぶんに意志を確認しあう。
    • 三現主義を貫く。
    • とことんやり切る。

     

    【ダイセル】

    • 設立 1919(昭和57)年9月8日
    • 資本金 362億7,544万89円(2015年3月31日現在)
    • 本社
      • 大阪
        • 大阪市北区大深町3-1(グランフロント大阪タワーB)
      • 東京
        • 東京都港区港南2-18-1(JR品川イーストビル)
    • 従業員数 連結 10,173名 単体 2,007名(2015年3月31日現在)
    • 売上高 4,437億円 (2015年3月期)

    1919年にセルロイド会社8社が合弁して設立されました。

    セルロイドを出発点に以下の分野で事業を展開しています。

    • セルロース化学
    • 有機合成化学
    • 高分子化学
    • 火薬工学をコア技術に、パルプなどの天然繊維を素材とする酢酸セルロース
    • たばこフィルター用アセテート・トウ
    • 水溶性高分子などの各種セルロース誘導品
    • 酢酸と酢酸誘導品を中心とする各種有機合成品
    • LED封止材や半導体レジストポリマーなどの有機機能製品
    • ポリアセタール樹脂
    • 液晶ポリマー(LCP)などのエンジニアリングプラスチック
    • エンプラアロイや長繊維強化樹脂などの樹脂コンパウンド製品
    • 各種プラスチック製品
    • 発射薬や航空機乗員緊急脱出装置等の防衛関連製品
    • 自動車エアバッグ用インフレータ

    以上のように化学工業の枠を超えた事業展開をしています。

    また過去には写真事業も扱っていましたが分社し「富士写真フィルム株式会社」を設立しました。

    現在の「富士フィルムホールディングス」です。

    基本理念として以下のものを掲げています。

    The Daicel Spirit

    私たちは、ダイセルスピリッツを共有化し、革新によって成長していきます。

    ■私たちは、あるべき姿を描き、誠実に、地道な努力を積み重ねることが革新の原点であると考えます。

    ■私たちは「モノづくり」にこだわります。

    私たちの「モノづくり」とは、「新たに意義のある価値を創造すること」です。

    ■私たちはひとりひとりの存在感と達成感を大切にします。

     

    業績は?


    業績も比べておきましょう。

    【2014年度の業績:連結決算】 (単位円)

    タカタ 会社 ダイセル
    6,428億 売上高 4,437億(店舗売上高899億円)
    5,569億 前年 4,137億
    15.4% 対前年度比 7.2%
    406億 経常利益 550億
    -296億 当期純利益 313億
    -265億 包括利益 664億
    31% 自己資本比率 57.3%

    売上高はタカタがダイセルの1.45倍で、1,991億円ほど上回っていてます。
    ですが経常利益、当期純利益、包括利益ではダイセルがタカタを上回っていて、経常利益で114億円、当期純利益で609億円、包括利益で929億円上回っています。売上の成長率ではタカタが前年対比で15.4%の成長を記録しているのに対しダイセルは7.2%と半分ほどです。

    タカタの純利益がマイナスになっているのはエアバッグ製品の一部に関して、自動車メーカーがリコールを行ったことを受け、製品保証引当金繰入額を特別損失として追加計上したためです。

    タカタは今年度もこのエアバッグ問題でリコールに86億円、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)からの制裁金に85億円を特別損失に計上しています。

     

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    初任給


    これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。

    【タカタ】

    2016年4月入社社員

    • 給与(2014年4月実績)
      • 修士了:月給218,000円
      • 学部卒:月給200,000円
    • 諸手当
      • 超過勤務手当
      • 通勤手当
      • 住宅手当
      • 扶養手当など
    • 給与改定 年1回(4月)
    • 賞与 年2回
    • 保険
      • 健康保険
      • 厚生年金
      • 雇用保険
      • 労災保険
    • 休日休暇
      • 年間休日120日(2014年度実績)
      • 週休2日制(土・日 ※当社カレンダーによる)
      • 連続休暇(GW、夏季、年末年始)※その他、年次有休休暇、特別休暇あり
    •  福利厚生
      • 制度
        • 職金制度
        • 再雇用制度
        • 育児・介護休業制度
        • 財形貯蓄
        • 持株会
        • 共済会制度
        •  社員割引制度
        • 各種クラブ活動など
      • 施設
        • 研修施設
        • 独身寮
        • 保養所
        • スポーツ施設など
    • 教育制度
      • 新入社員研修
      • 階層別研修
      • スキルアップ・ステップアップ研修
      • 通信教育制度(資格取得奨励等)など

     

    【ダイセル】

    2016年4月入社社員

    • 初任給
      • 博士了 274,300円
      • 修士了 240,000円
      • 学部卒 220,000円
      • 高専卒 190,000円
    • 諸手当
      • 住宅手当
      • 通勤補助
      • 配偶者手当
      • 扶養手当他
    • 昇給 年1回(4月)
    • 賞与 年2回(7月・12月)
    • 勤務時間
      • フレックスタイム制
      • 標準労働時間:1日8時間(9:15~18:00 本社)※事業場により異なる
    • 休日休暇
      • 休日
        • 完全週休2日制(土・日曜日)
        • 祝日
        • 年末年始
        • GW
        • 年間休日122日
      • 休暇
        • 年次有給休暇、特別休暇(誕生日、慶弔 他)※少子高齢化が進展する中、社員がより安心感を持って働ける環境を整えるための制度を設けています。・育児休業・介護休業・私傷病特別休暇・看護休暇・短時間勤務制度・年次有給休暇の取得促進
    • 福利厚生
      • 制度
        • 融資
        • 社員持株会
        • 財形貯蓄
        • 退職金
        • 友愛会(共済会)
        • 社宅・寮あり
      • その他
        • スポーツクラブ法人会員 他
    • 教育制度
      • モノづくり研修(現場研修)
      • 語学研修
      • 通信教育
      • 階層・職能別研修
      • 海外研修制度 他

       

      ダイセルは学歴ごとの給与が細かく設定されていて博士卒と高専卒では初任給で84,300円も違います。
      タカタとダイセルを比較すると大学卒ではダイセルが20,000円ほど上回っています。
      修士了ですとダイセルが22,000円上回っています。
      またタカタは博士了の設定がないので修士了と同じとすると博士了ではダイセルが56,300円上回ります。

      学歴が高いほどダイセルのほうが初任給はより高くなるようです。

       

       

      年齢ごとの給与


      有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

      【2015年度3月決算の比較(単体)】

      従業員数
      (グループ連結時)
      平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(千円)
      タカタ 1,004(48,775) 39.8 14.2 6,627
      ダイセル 2,007(10,173) 41.5 17.3 7,091

      従業員数は単体ではダイセルがタカタのおよそ2倍の人数ですが、グループ連結時ではタカタがダイセルのおよそ4.8倍の人数です。
      平均年齢は1.7歳、平均勤続年数は3.1年ダイセルの方がタカタより上回っています。
      平均年間給与はダイセルがタカタより46.4万円ほど多くなっています。

      平均勤続年数が長いためか平均年齢も平均年間給与もダイセルがタカタを上回っています。

       

      【年代別推定年収 単位千円】

      年齢 タカタ ダイセル 差額
      25 4,578 4,726 148
      30   5,358     5,532 174
      35   6,002    6,196 194
      40     6,655     6,871 216
      45     7,254     7,488 234
      50     7,511     7,754 243

      (両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)

      こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

       

      全年齢層でダイセルが上回っています。
      25歳時でおよそ14.8万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ24.3万円の差があります。

       

      これらの年収は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
      給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
      2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。

      生涯給与


      この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
      副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

      会社名 生涯給与
      タカタ 2億4,320万円
      ダイセル 2億5,107万円

      企業シムラ―検索

       

      ダイセルがタカタを787万円ほど上回っています。

       

       

      役員報酬


      取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

       

      会社名 役員数 役員報酬(百万円) 役員賞与(百万円) オプション(百万円) 退職金(百
      万円)
      1人あたり総報酬(百万円)
      タカタ 4 183 0 0 25 52.0
      ダイセル 5 171 40 0 0 42.2

       

      タカタがダイセルよりも1人当たりの報酬額(年額)では980万円多いです。
      生涯給与とは逆の結果となりました。

       

      生涯で形成する資産


      生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
      両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

       

      タカタ、ダイセルの現在30歳の方を例に計算を行います。
      結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。

       

      タカタ ダイセル 差額(タカタ基準)
      65歳 4,739万円 5,172万円 433万円
      85歳 3,416万円 3,853万円 437万円

       

      65歳時ダイセル433万円(貯蓄可能額が)上回ります。
      これが85歳時では437万円と僅かに広がります。
      ダイセルのほうが老後の資産が多く、タカタとの差は65歳時も85歳時も大きな変化はありません。

       

      しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
      (当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)

       

      タカタ五郎(30歳)

      ダイセル五郎(30歳)

      タカタVSダイセル 2015-11-13 10.57.25

      しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
      左がタカタの方、右がダイセルの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
      システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索

       

      結論


      ダイセルが生涯年収(従業員として)はタカタのそれに比べ787万円ほど多くなっています。
      役員になってからの待遇は、年平均で980万円ほタカタが上回りました。

       

      最後に65歳以降の資産額で比較するとダイセルが65歳時433万円85歳時に437万円多いです。
      そのため今回はダイセルの勝ちとします。
      売上高が高い企業より経常利益が高い企業の方が老後の資産が多いという結果となりました。
      ダイセルはこれからタカタのエアバッグ事業の売上を奪っていくことになるので、
      今30歳の方が65歳、85歳になった時には差はもっと広くなっているかもしれません。

       

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