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2016年1月以降、金融所得課税の一体化で公社債等の税制が変わります。特に注意しないといけない人は?

2016年1月から公社債等の税制が変わります。

金融所得課税の一体化により、平成28年(2016年)以降、公社債や公募公社債投信等に対する税制上の取扱いが、大きく改正されます。

 

気を付けないといけないといけないケースがこの年末年始にかけて発生してきます。

 

「特に注意が必要なのは外貨建利付債や外貨建MMF等をお持ちの方である。」

 

この1,2年の円安で為替差益の出ている方も多いと思います。

外国利付債購入例えば1ドル100円の時に10万ドル分購入(日本円で1000万円)し、

  • 債券の価格は全く変わらず、
  • 現在ドル円レートが1ドル120円(20円円安)になっていると

いま売却すると20円分の譲渡差益(200万円)がでることになります。

 

さてこのケースの税金は今日現在(9月6日)ではどうなるでしょうか?

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2016年から、外貨建利付債や外貨建MMF等の譲渡損益に対する税制が、 以下のように改正されます。

<税制改正前>譲渡益は非課税、譲渡損はないものとされる
<税制改正後>譲渡益は税率20.315%*、譲渡損は損益通算・繰越可(申告分離課税)

譲渡損益とは、資産を売却(譲渡)したときの損失や利益のことです。譲渡益をキャピタルゲイン、譲渡損をキャピタルロスともいいます

 

譲渡益のケース(上のケース)


豪ドル建利付債の譲渡益200万円に対する税金

<税制改正前>非課税  

<税制改正後>200万円×20.315%*=40万6,300円

なんといま売ると非課税である。

1月以降には40.63万円もの税金を支払う必要がある

 

1月以降に債券の価格がもっと上がる、あるいは円安がさらに進行し、この税額以上の利益が出る可能性もある。

しかし年末までにゆっくりその動向を見極め、利益を年内に出すかどうかを決めることができる。

 

 

譲渡損の ケース


外貨建MMF(米ドル)の100 の取扱い

<税制改正前>ないものとされる 

<税制改正後>損益通算・繰越可

 

1月以前に売却した場合は100万円の損失はなかったことにされ、他に利益の出ている債券の売却があれば、それは課税されるのだ。

1月以降には損益通算されるので、利益の出ているものからこの損失分を差し引き、課税される金額が少なくなる。

 

 

 

公社債等の税制変更の内容


今回の税制変更の詳細を確認しておきましょう。

【主要なポイント】

1.特定公社債等の利子・分配金や、譲渡・償還損益が原則として申告分離課税の対象になる。

2.税制上、特定公社債等は上場株式等と同様の取扱いとなり、上場株式等との損益通算や、譲渡(償還)損失の3年間の繰越控除が可能になる。

3.特定公社債等が特定口座の対象になる。

特定口座で計算される所得の対象に、特定公社債等の利子・分配金、譲渡(償還)損益 が加わります。特定口座で上場株式等と特定公社債等が一緒に管理できるようになり、 特定口座の利便性の向上が見込まれます

 

 

 

金融所得課税の一体化の概要(改正前・改正後比較)


 

  所得の種類 改正前 改正後
特定公社債等
  • 特定公社債の利子
  • 公募公社債投資信託等の 分配金
源泉分離課税(20.315%)

いずれかを選択

  • 申告分離課税(20.315%)
  • 申告不要*6
損益通算可能
  • 特定公社債の償還差損益
総合課税(超過累進税率) 申告分離課税*2(20.315%)損失の3年間繰越控除可能*3
  • 公募公社債投資信託等の 償還差損益
源泉分離課税(20.315%)
  • 特定公社債の譲渡損益
  • 公募公社債投資信託等の 譲渡損益
非課税*1
上場株式等
  • 上場株式等の譲渡損益
  • 公募株式投資信託等の 譲渡損益
  • 申告分離課税*2   (20.315%)
  • 損失の3年間繰越控除可能*3
損益通算可能
  • 上場株式等の配当
  • 公募株式投資信託等の 分配金
いずれかを選択

  • 総合課税*(4   超過累進税率)
  • 申告分離課税*(5   20.315%)

申告不要*5*6

同左

 

※上記税率は復興特別所得税、住民税を含みます。

※税制・税金について詳しくは専門の税理士または所轄の税務署までご確認ください。

1 改正前においてはゼロクーポン債等、譲渡損益が総合課税の対象となるものもあります。

2 源泉徴収ありの特定口座で生じた譲渡損益については申告不要の選択が可能です。

3 損失の繰越控除を行う場合は、損失が生じた翌年以降、損失がなくなるまで連続して確定申告する必要があります。取引が一切ない年であっても、 確定申告が必要ですのでご注意ください。

4  上場株式等の配当、公募株式投資信託等の分配金は、総合課税による申告の選択が可能です(20161月以降も同様)。

5 内国法人の発行済み株式または出資の総数または総額の3%以上を有する大口株主等が当該内国法人から支払を受ける配当等については申告 分離課税および申告不要を選択することができません。

6 申告不要を選択した場合には、他の譲渡損失との損益通算はできません。

 

 

参考

新生銀行ホームページ

日興SMBC証券 (金融所得課税の一体化 税制改正前後のケーススタディ)

 

 

 

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