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景気動向指数の計算方法

内閣府の景気動向指数の計算方法について簡単な説明があったので、掲載しておきます。

経済シナリオつくりには最低限の知識を身に着けることができます。

いわゆるコンポジット・インデックス(CI)を計算するためのものです。

景気動向指数とは

 

1.採用系列を選択する


 

  1. 各経済部門を代表する指標を探す。
    【考え方】幅広い経済部門
    (1)生産 (2)在庫 (3)投資 (4)雇用 (5)消費 (6)企業経営 (7)金融 (8)物価 (9)サービス
  2. 景気循環の対応度や景気の山谷との関係等を満たす指標を探す。
    【考え方】6つの選定基準
    (1)経済的重要性
    (2)統計の継続性・信頼性
    (3)景気循環の回数との対応度
    (4)景気の山谷との時差の安定性
    (5)データの平滑度
    (6)統計の速報性
  3. 各経済部門から景気循環との関係を踏まえ選択する。
    【考え方】先行(主に需給の変動)、一致(主に生産の調整)、遅行(主に生産能力の調整)

2.各採用系列の前月と比べた変量を算出する


 

【考え方】各経済部門の代表的な指標の前月からの変動を計測する。
【計算方法】
  • 各採用系列について、対称変化率(注1)を求める。対称変化率 = 当月値-前月値 /(当月値+前月値 )/2 × 100
  • ただし、負の値を取る系列(前年同月比を系列とするもの)や比率(有効求人倍率など)である系列は、対称変化率の代わりに前月差を用いる。(以下、「対称変化率」には、「前月差」の場合も含む。)
  • なお、景気拡張期に下降する逆サイクルの系列については、符号を逆転させる。これにより、景気と同方向に動く系列として扱うことが可能になる。

3.各採用系列の変化の量感を求める


 

過去の平均的な動きと比較した変動の大きさ(量感)を見るため、対称変化率の振れ幅の目安及びトレンドを求め、基準化変化率を算出する。

  1. まず振れ幅の目安を求める。(注2)
    【考え方】
    各系列の平均的な振幅を求め、後述の基準化に用いる。振幅の目安となる統計的指標のうち、「外れ値」に左右されない四分位範囲を用いる。
    【計算方法】
    各採用系列において、対称変化率を大きい順に並び替え、上位25%値と下位25%値との差(四分位範囲)を求める。
    四分位範囲=上位25%値-下位25%値
  2. 「外れ値」処理を行う。(注3) ⇒ これが統計的には難しい!
    【考え方】
    「外れ値」によるCIの振れを抑えるため、各採用系列の変動のうち急激な部分について、「外れ値」処理を行う。
    【計算方法】
    • 各採用系列の変動を、体系全体に発現する「共通循環変動」と、当該系列のみに発現する「系列固有変動」に分解、「外れ値」処理の対象を「系列固有変動」に限定する。
    • 各採用系列の「系列固有変動」の幅が「閾値×四分位範囲」以上の場合は「外れ値」とし、「系列固有変動」の幅を「閾値×四分位範囲」で置き換える。
    • 閾値は、全ての系列に共通の値を用いる(現在2.04)。
  3. 変化率のトレンドを求める。⇒ 単純移動平均、加重移動平均等のやり方でスムーズさも変わってきます。
    【考え方】
    • 移動平均により、各採用系列の対称変化率の長期的な傾向(トレンド)を求める景気循環よりもなめらかな直線的な動きを示す。
    • 移動平均にも様々あるが、将来の値が欠損することから、後方移動平均を用いる。また、平均的な過去の景気の一循環の期間を考慮し、60か月後方移動平均とする。
    【計算方法】
    対称変化率のトレンド=「外れ値」処理後の対称変化率について、当月を含む過去60か月間を平均したもの
  4. 基準化する。
    【考え方】
    • 各採用系列の対称変化率(「外れ値」処理後)を見ると、トレンドがプラスを示す系列もあればマイナスを示す系列もあり、更に、対称変化率の振幅が大きい系列もあれば小さい系列もある。
    • 対称変化率の振幅とトレンドを調整することによって、各採用系列の対称変化率を、量感(基準化変化率)の形に揃える。
    【計算方法】
    基準化変化率=「外れ値」処理後の対称変化率ー対称変化率のトレンド/四分位範囲

4.各採用系列の量感(基準化変化率)を合成する(注4)


 

【考え方】
  • 各採用系列の基準化変化率を平均する(合成基準化変化率)。
  • 同様に、対称変化率のトレンド、四分位範囲の平均を求め(合成トレンド、合成四分位範囲)、基準化と逆の操作を行い、変化の大きさを復元する(合成変化率)。
【計算方法】
合成変化率=対称変化率のトレンドの採用系列の平均+四分位範囲の採用系列の平均×基準化変化率の採用系列の平均

5.前月のCIの値に累積する


 

【考え方】
  • 合成変化率は、前月と比較した変化の量感を表している。水準(指数)に戻すため、前月のCIに合成変化率を掛け合わせることにより、当月CIを計算する。
  • ただし、合成変化率は、各採用系列の対称変化率を合成したものであることから、合成変化率もCIの対称変化率として扱う。そのため、当月CIは、以下の式のように累積させて求める。
【計算方法】
当月のCI=前月のCI×前月のCI×((200 + 合成変化率))/((200 - 合成変化率))

 

(注1)対称変化率では、例えば、ある指標が110から100に低下した時(9.5%下降)と、100 から110 に上昇した時(9.5%上昇)で、変化率の絶対値が同じになる。
(注2)毎年3月分速報時点で1年分データを追加し、昭和55(1980)年1月分から直近の12月分までの期間で四分位範囲を計算する。
(注3)閾値は、毎年3月分速報時点で、昭和60(1985)年1月分から直近の12月分までの一致系列の「系列固有変動」のデータから、5%の外れ値を算出するよう見直している。四分位範囲は、「外れ値」処理のために用いるものであり、以降の基準化等の際に用いる四分位範囲とは異なる。
(注4)CI先行指数とCI遅行指数の合成トレンドは、CI一致指数の採用系列によって計算された合成トレンドを用いている。

※新たな「外れ値」処理手法を反映した詳細な算出方法(PDF形式:111KB)別ウインドウで開きます(平成23年11月7日)
※寄与度分解(PDF形式:23KB)別ウインドウで開きます(平成23年11月7日)

 

b.DIの作成方法

採用系列の各月の値を3か月前の値と比較して、増加した時には+を、横ばい(保合い)の時には0を、減少した時には-をつける(変化方向表)。

その上で、先行、一致、遅行の系列群ごとに、採用系列数に占める拡張系列数(+の数)の割合(%)をDIとする。

DI=拡張系列数/採用系列数×100(%)
(横ばい(0)の場合は0.5としてカウントする)

なお、各月の値を3か月前の値と比較することは、不規則変動の影響を緩和させる効果がある。 3か月前と比較して増加、減少、同一水準であることは、3か月移動平均の値が前月と比較して増加、減少、同一水準であることと同じである。

 

出典:内閣府

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