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【運用】物価連動国債ってどのような商品? - 2015年から個人も直接投資が可能になるらいしいけど。

物価連動国債とはいわゆるインフレ連動債と呼ばれる債券の一種で、将来の物価の動向に応じて利払・償還する額が変わる債券です。 経済全体がインフレになり物価が上昇すると、債券の利払額や償還額が増えることから、将来のインフレに対するヘッジ(インフレに対する備え)となるような債券投資が可能となります。

 

アベノミクスによる今後の物価上昇が期待されるようになってきたこと、また、来年から個人による直接投資が可能となることから注目を集めていますので、ここでもう少し詳しく見ていきましょう。

woman smiling with piggy bank and calculator

 

 

2015年から個人も直接投資が可能に


日本における物価連動国債は、2004年3月に発行開始され、その後リーマンショック前後のデフレ下で2008年に発行が停止されました。 そして、2013年10月に発行が再開されています。

 

ただし、これまで発行されてきた物価連動国債は個人への譲渡は認められておらず、個人としては、投資信託などを通じて間接的に投資をすることのみが可能でした。 この度、2015年1月から個人による保有が解禁されることになります。個人としては、2015年以降、個人向け国債など他の国債と同様に直接投資が可能になります。

 

なお、個人向け国債とは異なり、個人向け専用の物価連動国債が発行されるわけではありません。これまで同債券に投資てきた銀行、生命保険会社など機関投資家と並び、同じ債券を購入することになります。

 

物価連動国債のしくみ


では、物価連動国債の仕組みを簡単に見ていくことにしましょう。

 

● まず、通常の固定金利の国債について確認します。
通常の固定金利の国債の場合、元本の金額は発行時から償還まで不変、利率も一定です。
つまり、各利払日に受取る利子の額は一定で、償還時の元本額も発行時と同じ額面金額です。

 

例として次のような普通国債 (固定金利の国債) を考えます。

発行時額面 100万円
利率 3%
満期  10年  

 

普通国債の元本・利払イメージ

時点 お金の受払 説明
発行時 100万円額面払込
0.5年後 利払1.5万円受取  100万円の3%の半年分
1.0年後 利払1.5万円受取  100万円の3%の半年分
1.5年後 利払1.5万円受取  100万円の3%の半年分
・・・
9.5年後 利払1.5万円受取  100万円の3%の半年分
10年後 利払1.5万円受取
+ 償還額100万円

 

      
      
● 続いて、物価連動国債について見てみます。
物価連動国債は表麺利率は発行時に固定され全利払日にわたり一定ですが、元本額が物価の変動に変動します。 従って、各利払日に受取る利子の額も、(変動する元本額に応じて)増えたり減ったりすることになります。
物価の変動は生鮮食品を除く全国消費者物価指数、いわゆる「コアCPI」 にて測られます。

 

例として次のようなものを考えます。

発行時額面 100万円
表面利率 3%
満期  10年
発行時のCPI=100、その後 年2%上昇していくと仮定する

 

物価連動国債の元本・利払イメージ

時点 お金の受払 説明
発行時 100万円額面払込
0.5年後 利払1.515万円受取  想定元本101万円
1.0年後 利払1.53万円受取  想定元本102万円
1.5年後 利払1.545万円受取  想定元本103万円
・・・
9.5年後 利払1.785万円受取  想定元本119万円
10年後 利払1.8万円受取
+ 償還額120万円
想定元本120万円

 

上記で分かるように、物価が上昇(CPIが上昇)していくにつれ、利払金額、および、最終償還元本が増加することになります。

 

更に、2013年以降に発行された物価連動国債には、償還時に元本が額面金額にて償還されるフロア(元本保証)が設定されています。 つまり、仮に物価が下落を続けた場合であっても、償還時には発行時に払い込んだ額面金額で償還されます。なお、利息に対してはフロアの効果はありませんので、物価が下がった場合には、利息が額面金額の表面利率分を下回る(即ち、上記の例で、半年分で1.5万円を下回る)可能性はあります。

 

 

インフレヘッジ (物価上昇に対する備え) の効果


上記で見てわかるとおり、債券の発行後にもし物価が上昇すると、名目上ではなく実質ベースでみた通常の固定利付国債の価値は低下してしまいます。 将来にわたる利息額、元本償還額が一定に固定されているので、物価が上がっていくと、債券からの受取額が実質的に目減りしていくからです。

 

一方で、物価連動債の場合は、表面利率は固定であるものの、物価上昇に連動して元本が増加するため利払額が増え、また、最終償還される元本も増えることから、インフレの際にも実質的な価値が低下しない債券といえます。

 

 

現状購入できるインフレヘッジ商品


資産運用において将来のインフレへの対応商品として機能する物価連動国債ですが、上記のとおり、現時点では個人が直接購入することができません (2015年1月から解禁)。  そこで、現時点でインフレヘッジとして活用できる商品をいくつかあげておきます。

 

物価連動国債ファンド
日本の物価連動国債に投資を行う投資信託を通じて間接的に投資を行う。
例として、みずほ投信投資顧問による、MHAM物価連動国債ファンド【未来予想】

 

個人向け10年国債
現在発行されている個人向け10年国債(変動金利型10年)は、適用される金利が半年毎に変動します。 10年固定利付国債の実勢水準に連動するように決まります。 物価上昇時には、固定利付債の実勢金利水準も上昇すると想定されることから、個人向け10年国債は一定のインフレヘッジ効果があるといえます。

 

日本債券ベアファンド
国債証券先物のショート(売建)取引等を用い、国内長期債金利が上昇するとファンドの基準価額は上昇し、長期債金利が低下すると下落するような商品。 物価上昇時には長期金利水準も上昇すると想定されることから、インフレヘッジ効果が期待できます。
例として、T&Dアセットマネジメントによる、日本債券ベア

 

 

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