最新

【収入】内閣府の財政検証は大丈夫か?あなたの給料はこんな感じで上昇する!と仮定していますけど。。

2004年の小泉政権で作成された、平成16年年金制度改正における年金財政のフレームワークは100年持つことを目的に以下のようなものが取り決められた。

以下は厚生労働省の「国民年金及び厚生年金に係る 財政の現況及び見通し」を参考にしております。

年金財政のフレームワークとは


 

上限を固定した上での保険料の引上げ
(最終保険料(率)は国民年金16,900円(平成16年度価格)、厚生年金18.3%)
負担の範囲内で給付水準を自動調整する仕組み(マクロ経済スライド)の導入
積立金の活用
(おおむね100年間で財政均衡を図る方式とし、財政均衡期間の終了時に給付費1年分程度
の積立金を保有することとし、積立金を活用して後世代の給付に充てる)
基礎年金国庫負担の2分の1への引上げ

このフレームワークを確実に運営するために

少なくとも5年ごとに、
○ 財政見通しの作成
○ マクロ経済スライドの開始・終了年度の見通しの作成
を行い、年金財政の健全性を検証する
→ 次の財政検証までに所得代替率が50%を下回ると見込まれる場合には、給付水準調整の終了その他の措置を講ずるとともに、給付及び負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずる

平成26年度の検証はどんなもの?


 

ということで内閣府が5年ごとの検証を行っており、これが21年度に引き続き、26年度に検証を行っている。この検証は様々な変数が必要で、いろいろな仮定をもとに計算、シミュレーションが行われている。我々の年金がどうなるかを判断するのにきわめて重要な仮定である。今回の内閣府の仮定は以下のようなものである。

<年金制度についての前提> 

○ 社会保障と税の一体改革により成立した法律による公的年金制度の改正を反映。
基礎年金国庫負担2分の1の恒久化 ・年金額の特例水準の解消
被用者年金の一元化 (厚生年金には旧共済を含む。) ・短時間労働者への厚生年金適用拡大(25万人ベース) 等
※ 低所得高齢者・障害者等への福祉的給付については、年金制度の外での対応であるため、財政検証の対象外。
○ 法律で要請されている(上記の改正を反映した)現行制度に基づく検証に加えて、社会保障制度改革国民会議の報告書や
プログラム法で示された課題の検討に資するよう、一定の制度改正を仮定したオプション試算も実施。

<社会・経済状況に関する主な前提>

○ 財政検証においては、長期の年金財政の見通しをたてるため、遠い将来までの社会・経済状況について一定の前提を置く
必要がある。 しかしながら、これらは不確実なものであることから、以下のように複数のケースを前提として設定している
したがって、財政検証の結果の解釈にあたっては、複数のケースを参照し相当の幅をもってみる必要がある。

(1)将来推計人口(少子高齢化の状況)の前提
・「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」を使用。
・合計特殊出生率及び死亡率について中位、高位、低位の3通りをそれぞれ設定。

(2)労働力率の前提
・平成26年2月にとりまとめられた「労働力需給推計」((独)労働政策研究・研修機構)に準拠して設定。
・将来の経済状況の仮定に応じ、 「労働市場への参加が進むケース」、「労働市場への参加が進まないケース」のいずれかを使用。

(3)経済前提
年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会における検討結果の報告「年金財政における経済前提と積
立金運用のあり方について(平成26年3月12日)」に基づき設定。
【 平成35(2023)年度までの足下の前提 】
内閣府の「中長期の経済財政に関する試算(平成26年1月20日)」の「経済再生ケース」、「参考ケース」に準拠して設定。
【 平成36(2024)年度以降の長期の前提 】
内閣府試算を参考にしつつ、長期的な経済状況を見通す上で重要な全要素生産性(TFP)上昇率を軸とした、幅の広い複数ケース
(8ケース)を設定。

クリックして拡大

 

(クリックで拡大します。)

(4)その他の制度の状況等に関する前提 (有遺族率、障害年金発生率、納付率 等)
・被保険者及び年金受給者等の実績データ等を基礎として設定
※ 国民年金保険料の納付率については、「今後の取組強化等により向上(平成30年度に65%)した場合」を基本に、「現状の納付率
(60%)で推移した場合」も設定。

 

 

経済再生ケースのシナリオは現実的か?


 

経済前提に出てくる、内閣府の「中長期の経済財政に関する試算(平成26年1月20日)」の「経済再生ケース」とは

経済シナリオ②

 

(クリックで拡大します。)

数字をグラフにしてみました。右上がりのかなり楽観的なシナリオが構築されています。

内閣府経済再生ケース

この数字の中で、名目運用利回りが10年以内に4%近い数字に上昇していくシナリオになっている。

少し変わっているが、実質運用利回りは「名目利回り―物価上昇率」ではなく、「名目利回り―名目賃金上昇率」となっている。

それにしても名目運用利回りが4%近くに到達することは過去を振り返ると、かなり楽観的であるといわざるを得ない。

名目賃金上昇率も今以上の賃上げが毎年続き、安定的に給与はアップするという仮定もかなり夢のような過程である。

いまの給与水準については関連記事(産業別現金給与金額(2014/5)  実質賃金はまだ下がっている現実。)を見てほしい。これがかなり楽観的であることがわかる。

 

あなたの給料はこんなに上昇する。(シナリオ上ですが。。)


 

年収600万円の人の給与の増加の仕方は以下のようになる。これはあなたが10年間で偉くなって給与が上がるのではなく、将来あなたと同じ年齢で同じ仕事をする人の年収がこれだけ上昇するというものであり、

あなたの給料はこのペースよりもさらに大きく上昇していくことになります。これが本当であれば素晴らしいですね。(物価もかなり上昇はしていきますが。。。)

年度 平成26 平成27 平成28 平成29 平成30 平成31 平成32 平成33 平成34 平成35
賃金上昇率 1.00% 2.50% 2.50% 3.60% 3.70% 3.80% 3.90% 3.90% 4.20% 4.10%
月給推移 505,000 517,625 530,566 549,666 570,004 591,664 614,739 638,713 665,539 692,827
年収推移 6,060,000 6,211,500 6,366,788 6,595,992 6,840,044 7,099,965 7,376,864 7,664,562 7,986,473 8,313,919

 

また少し控えめなケースである、「参考ケース」でも以下のようなチャートである。

内閣府参考ケース

こちらの方が現実味を少しは帯びているが、今のアベノミクスが継続的に効果を発揮し、構造改革が進むことが前提となろう。こちらの給与上昇はこのような感じになる。

年度 平成26 平成27 平成28 平成29 平成30 平成31 平成32 平成33 平成34 平成35
賃金上昇率 1.00% 1.60% 2.30% 2.90% 2.80% 2.70% 2.60% 2.50% 2.70% 2.70%
月給推移 513,000 521,208 533,196 548,658 564,021 579,249 594,310 609,168 625,615 642,507
年収推移 6,060,000 6,156,960 6,298,570 6,481,229 6,662,703 6,842,596 7,020,503 7,196,016 7,390,309 7,589,847

 

 

この政府のケースが実現すると。。


 

上記の政府の経済再生ケースが軌道にのり、成功したとして、

【経済(ケースA)】 →かなり経済運営に成功する楽観的なケース
・物価上昇率 2.0%
・賃金上昇率(実質<対物価>) 2.3%
・運用利回り(実質<対物価>) 3.4%
(参考)経済成長率(実質<対物価>) 1.4%

【人口(中位)】
・合計特殊出生率(2060) 1.35
・平均寿命(2060)
男 84.19歳
女 90.93歳

 

ケースA 平成26年度 平成31年度 平成42年度 平成56年度 平成62年度
年度 2014 2019 2030 2044 2050
現役男子の手取り収入(万円/月) 34.8 34.7 43.3 59.0 67.5
夫婦の年金額(万円/月) 21.8 21.0 24.7 30.1 34.4
所得代替率 62.70% 60.30% 57.20% 50.90% 50.90%
比例 25.90% 25.30% 25.30% 25.30% 25.30%
基礎 36.80% 35.00% 31.90% 25.60% 25.60%

2050年の段階ですれすれ50.9%を維持している。こんな楽観的なシナリオでもやっと50.9%の維持にとどまるというのは、かなり厳しい状況にあるといえるのではないか。

【経済(ケースH)】 →現実的なケース(最悪ケースにしてますが。。)
・物価上昇率 0.6%
・賃金上昇率(実質<対物価>) 0.7%
・運用利回り(実質<対物価>) 1.7%
(参考)経済成長率(実質<対物価>)▲0.4%
【人口(中位)】
・合計特殊出生率(2060) 1.35
・平均寿命(2060)
男 84.19歳
女 90.93歳

ケースH 平成26年度 平成31年度 平成42年度 平成56年度 平成62年度
年度 2014 2019 2030 2044 2050
現役男子の手取り収入(万円/月) 34.8 34.7 38.4 40.0 45.6
夫婦の年金額(万円/月) 21.8 20.8 20.7 20.0 17.8
所得代替率 62.70% 59.90% 53.80% 50.00% 39.00%
比例 25.90% 24.70% 22.10% 20.50% 16.00%
基礎 36.80% 35.20% 31.80% 29.50% 23.00%

 

経済成長の維持、インフレーションの継続、女性・高齢者の労働参加、出生率の上昇、前提となる数字についてシミュライズでも継続的に検証を行っていきたい。

 

 

 

 

 

 

▲TOPに戻る